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ようやくアコムの準備書面最終回です。
2008年10月2日の第2回口頭弁論前、9月30日に地裁に提出しました。
以下、全文です。
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事件番号 平成20年(ワ)第○○○○号 損害賠償等請求事件
原告 管理 職夫
被告 武富士株式会社 アコム株式会社 アイフル株式会社 プロミス株式会社

                    準 備 書 面(被告アコム関係)

                                           平成20年10月2日

●●地方裁判所第2民事部B係 御中

                                            原告 管理 職夫
                              ●●市●●区●●町●丁目●番地●号
                                   TEL(●●●)●●●-●●●●

第1 被告の主張「不法行為について」反論する。
1 貸金業規正法43条について
被告は,監督官庁から法43条の要件充足に関して問題の指摘が一度もないことで,法43条の要件を満たしていたとの認識下にあったというが,監督官庁からの指摘が皆無であることが法43条の成立要件ではない。
 貸金業法43条のみなし弁済の規定は,その要件(支払の任意性や17条及び18条の書面等)を充たした場合に,利息制限法所定の利率を超える利息の支払も有効な利息の支払とみなすというものに過ぎず,前記要件が備わっていない場合についてまで違法性を阻却するものではない。
 さらに被告は本件における貸金業者が行うべきみなし弁済が成立するための具体的な帳票類等を一切提出することなく,被告の独自の認識による見解を述べたに過ぎずみなし弁済の立証をしていない。
 よって本件取引において同法43条に定められた「みなし弁済」の成立する余地はない。
みなし弁済の適用があるというのであれば,すべての17条書面の控え,18条書面の控えの提出を求める。
 利息制限法は強行法規であり,被告が主張する本件包括契約が制限超過利息の支払が合意によるものであったとしても,その合意は強行法規に違反して無効であり,法的保護を受けることはできない。
 また,このような合意に基づくという理由で不法行為の成立範囲を限定的に解することは本末転倒であり,制限超過利息の支払による損失の回復は不当利得返還請求権の行使によらなければならないとする理由もない。利息制限法の立法趣旨からみても強行法規違反であり,不法行為にあらず,不当利得の問題に限定すると解することは出来ない。

2 被告の告知義務違反
 被告は,本件取引にあっても,超過利息が支払われても,それを利息制限法所定の利率に引き直して債権管理を行うべきであり,元本完済後の弁済金(本件取引にあっては平成15年12月18日以降の弁済)についても,不当利得として返還せざるを得ないものであることも認識し,あるいは当然に認識すべきであったといえる。
 他方,原告は法律の素人であり,利息制限法,貸金業法及び充当計算をする裁判例等を認識できないのであり,被告との取引は全て適法であり過払い金の存在すら知らず,被告の請求額の約定利息が法律上も有効であると誤信したまま支払を継続してきたものとして長期間に渡り支払いをしてきた事実がある。
 しかるにその原因は貸金業法43条1項の適用が認められるための要件を具備しない形態での取引を続けてきた貸金業者である被告の側にある。
 また他方,被告は法律上の原因がないことを知りながら,原告から取引の最終(平成20年5月1日)までの約定利息による弁済による金員を収受しており,原告にこのような知識がないことをも被告は十分推測していたと推認される。
 このように,被告は利息制限法所定の利率を超える高金利で金銭の貸付等を行うことを主な業とする貸金業者であり,利息制限法,貸金業法あるいはそれらに関連する最高裁判所の裁判例等の知識を有し,貸金業の実務に精通していたにも関わらず,制限超過利息の元本充当により貸金債務が消滅した後に,債務の弁済を請求し,これを受領する行為は,実体法上の権利が存在しないのに,それを知りながら,原告の無知に乗じて適法に保持しえない金銭を請求し,これを受領する行為にほかならない。
 すなわち被告は制限超過利息の元本充当により貸金債務が消滅した時点で債務は0円になり法律上の原因がないこと知っていたにも関わらず,実態のない債務の弁済を請求し,これを収受することは架空請求詐欺的行為である。
 被告は法律上の原因がない実態無き債務の弁済の事実を告知することが出来るにも関わらず,平成20年5月1日に店頭における一括完済(50万2222円)時に至る最終取引まで告知することをしていない。
 さらに店頭における最終取引日にすら一括弁済を希望しその請求額を求めた原告に対し,約定による金利での金額を,制限超過利息による収受であることと,既に過払い金が発生していること告げずに,約定金利での一括弁済金を請求した事実がある。
 原告は債務が無い事を知っているのに弁済を継続したり,一括弁済をすることはあり得ないのであって,債務が無い事を知っていた被告がこれを継続的に収受していた事は不作為による告知義務である。

3 被告の架空請求
 被告は債務が無いことの告知を怠るだけでなく,法律上も支払義務のない支払について,受額する権限もないことを認識しながら,充当計算を行ったり,過払の告知をしないまま約定利息を請求し続け,元本消滅後もあたかも残元本が存在していることを装い支払を請求して,原告の無知に乗じて適法に保持しえない金銭を請求しそれを受領していたのだから,元本が消滅するまでは,利息制限法所定の利率を超える支払分について,元本消滅後は,その全部について架空請求として不法行為が成立する。

4 近時,司法の場において本件と同類の事案について不法行為を認定する裁判例を以下に列挙する。
① 神戸地方裁判所 平成20年5月1日判決
 被告アコム株式会社に対し,告知義務違反を認め,不法行為による損害として過払金相当額や慰謝料など約188万円の支払いを命じた判例。
② 神戸地方裁判所所民事第5部 平成20年3月21日判決
 被告アコム株式会社に対し,過払金や架空請求に準じる違法な行為の慰謝料など約1175万円の支払いを命じた判例
③ 松山地方裁判所西条支部 平成20年3月18日判決
 強行規定である利息制限法を超えた利息の請求は架空請求であり,不法行為に該当するとして,不法行為の損害として,過払金約85万円の支払いを命じた判例
④ 名古屋高等裁判所民事第2部 平成20年2月27日判決
 過払金が発生し本来債務者に弁済義務がないにもかかわらず,債務者の無知に乗じて支払を請求し,受領した行為は不法行為に該当するとして,プロミス株式会社に過払い金と慰謝料などを合計した約493万円の支払いを命じた判例
⑤ 神戸地方裁判所第6民事部 平成19年11月13日判決
 過払金となる弁済金の受領行為は適法に保持し得ない金員を収受であり,債務者の無知に乗じ,社会的相当性を欠く違法な行為として,民法709条所定の不法行為を認定し,損害賠償金などを支払うよう命じた判例
⑥ 札幌高等裁判所 平成19年4月26日判決
 元本がなくなった後は,その全部が存在しない債務であり,架空請求として不法行為を構成するとし,このような請求により,債務者が「請求額全額を支払わなければいけないと誤信し,精神的苦痛を被ったと認められるとし,慰謝料支払を命じた判例。
⑦ 大阪高等裁判所 民事6部 平成19年7月31日判決
 過払金発生時以降,約定利率による請求は,架空請求類似とし,原告の無知に乗じて請求して収受してきたものとして不法行為を認定し慰謝料支払を命じた判例。

第2 被告の主張「不当利得について」反論する。
1 原告の減縮申し立てのとおり,原告作成の訴状別紙2の金額に誤りがあることは認める。
2 被告は悪意の受益者である事実
 被告は受益の時に法43条1項の適用が無い事を知っていたかによって決せられなければならないと主張する。
 悪意の受益者とは「法律上の原因がないことを知りながら利得した者」(最高裁判所昭和37年6月19日第三小法廷判決裁集民61号251頁)であり,本件についていえば,利息制限法所定の利率を超過した利息を,超過した事実を知りながら取得すれば,原則として悪意の受益者に該当する。
 しかしながら超過の事実と両立し得るみなし弁済の事実が存在するものと認識していた場合,悪意の受益者には該らない。端的にいえば,客観的にはみなし弁済の事実が存在せず,認識に錯誤があったとしても,その認識がある以上は悪意とはいえない。
 もっとも利得者が認識した事実が,法律上はみなし弁済を構成する事実ではないのに,みなし弁済が成立すると信じた(法的判断を誤った)にすぎない場合は,利得者は結局,「法律上の原因がない」事実を認識しているのであるから,悪意の受益者に該当する。
 被告は本件の貸金業法43条1項の適用が認められる特段の事情があることの具体的な主張立証をしてあらず,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」である。(最高裁平成19年7月13日第二小法廷判決)
 被告は,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した悪意の受益者であるから,制限超過部分は,貸付金の残元本があればこれに充当され,残元本が完済になった後の過払金は不当利得として借主に返還すべきものであることを十分に認識しているものというべきで,過払金額がこのように高額になっていることを十分知り得たというべきである。
被告和解案については否認する。

第3 求釈明
原告は被告に対して,下記書面の提出を求めます。
・原告との間の貸付取引に関して作成された契約書(貸金法17条1項)全部
・同じく業務帳簿(同法19条)
以上の文書の提出をしない場合,その理由を明らかにすること。また,以上の文書を現に所持しているか否かを明らかすること。

第4 原告の要望
被告の答弁はみなし弁済の適用要件をなんら立証しておらず,利息制限法の潜脱行為といっても過言では無い。
 しかし,原告は裁判の遅延を望むのではなく,今回第二回口頭弁論前において訴額を大幅に減額した和解案を提示し,早期の解決を図ったのであるが,合意に至らず今回となったものである。
しかしながら原告は,今だ早期解決を希望しない訳ではなく,以下に和解案を提示する。

和解案 平成20年10月31日を期限として和解金170万円を原告に支払う。

尚,本和解案が合意とならなかった場合は,早期の判決を希望します。

以上
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次回は、
アコムの準備書面を掲載します。

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